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制作プロジェクトHaLoを主宰するayakoが、音楽、写真などHaLoとしての活動について、また、mac、旅、映画、本、猫、食べ物、気になったニュースなどについて、徒然に綴ってます。


by ayako_HaLo
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こわい=わからない

私は茨城県笠間市で強い地震にあい、
室内の壁、屋根瓦が落ち、窓ガラスが割れて
棚が崩れて中身が散乱し、割れ散らばった家の中へ
土足で入り、大きな余震に時々外に飛び出しながら
細々と片付け、
最初の夜を車の中で過ごしました。

水道はまだいいとしても、
電気と電話のない世界で、
情報がなく、時折入るラジオからの
不十分な原発に関する情報にあまりにも怖くなり
翌日は近所で唯一お店を開けている
手動でガソリンを汲み上げて販売していた
行きつけのスタンドに並んで給油し、
ところどころ通行止めの出ている下道をたどって
都内に出ました。
まずは、何が起こっているのかわからないことが
怖くて仕方がありませんでした。

その後、東京で初めて今回の震災の全体像を見て
二度目のショックを受け、
さらに原発で起こっている前代未聞の先の見えない事態に
三度目のショックを受け、
自分が自分を保てていないことを自覚し、
使えないどころか、かえって不安を撒き散らすと思ったので、
実家に帰省しました。

揺れない地面の上、
暖かい布団と、
家族が何もかも受け入れてくれたお陰で、
少しずつ落ち着き、
なんども怖いと涙を流し、
怖かったものの正体も少しずつ見えてきました。

放射能という眼に見えない
自分には制御できなくて、わからない物質そのもの、
あびても全く感じることも、
あとあと測定することも出来ないことに怯えていること。

また、万が一にも核燃料が溶け出すような自体になったときに
これまで複数炉で同時にここまでの問題が起こることを
経験したことがない以上、
本当に何が起こるのかはわからない、ということ。

  その「わからない」内容の想定が、
  科学者によって、専門家によって違っても
  経験したことがないのだから、仕方がないのかもしれません。

  今、デマと呼ばれる本当のデマと共に、
  危険性を指摘している内容も、デマとして
  取り扱われつつあることには注意しなくてはと思います。

最前線で作業にあたってくださっている人たちのことを考えると
心から感謝と敬意と涙が湧いてきます。

ただ、私たちが接することのできる情報は、
今、本当に何が現場で起こっているのかを
きちんと確認するすべがなく、
データ、遠くからの映像などからの推測で
本当に本当のところはわからないんじゃないか、ということ。

また、その燃料棒が溶け出すこと自体が起こったとき、
または起こることが確実であると判断されたときに、
その事実を知った私たちが集団でパニックを起こし、
また、その時、もし私が一人でいるようであれば、
自分自身がどうなってしまうのかわからない、ということ。

そして、今回の未曽有の災害復興に、
どれだけの金銭的な負担がかかるのか
皆目わからないこと。

その復興のために必要な資金を少しでも得るには
こんな状況の中でも日本の経済を回し続けなくてはならず、
それが失敗すれば、日本が無くなる
という判断も成り立つかもしれず、
私たちの健康や命に関わるもろもろの判断が
多少の犠牲はやむなし、となっている「かも」しれないこと。

つまり、怖い全てのことは「わからない」ことでした。


今回の地震もそれに伴う津波も「想定外」だと
なんども耳にしました。
つまり、私たちは自然の営みのタイミングも
その大きさも、その結果も「わからない」。

そのことを今一度思い出す必要があるように思います。

私たちは傲慢になり、畏れを忘れてしまった。

それを今回取り戻したのでしょう。
以前よりさらに熱心に、真剣に祈りを捧げている私がいます。

私にとっての祈りとは、強い約束です。
願う世界を作るための約束です。

もう二度とこんな怖い想いをしないですむように。

「 安らかに眠って下さい
この過ちは二度と繰り返しませぬから」

この言葉が頭を回っています。
本当に、もう二度と繰り返しませぬから。
by ayako_HaLo | 2011-03-20 00:12 | thoughts