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制作プロジェクトHaLoを主宰するayakoが、音楽、写真などHaLoとしての活動について、また、mac、旅、映画、本、猫、食べ物、気になったニュースなどについて、徒然に綴ってます。


by ayako_HaLo
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映画「Sweet Sixteen」★★★★★

ケンローチ監督の2002年の作品。これも劇場で見逃してしまっていた。

場所はグラスゴー郊外の小さな街。刑務所にいる母の面会に出かける少年リアムとその家族らしい二人の男たち。その場面から彼の置かれている複雑な家庭環境が描き出され始める。リアムはもうすぐ16歳。16歳の誕生日の前日に刑務所から出て来る母と一緒に暮らしたい、それだけが彼の願い。15歳の少年がその夢を叶える為に、出来ることなら(出来ないことまで)なんでもやってしまう。

これも貧富/環境の格差の問題…。どん底の環境にいるときに、選択肢は多くない。リアムはギリギリの選択を繰り返す。とても頭が良くて機転の利く少年、という一面と子供のように(実際15歳はまだ子供の部分があっていいはず)、ただ母を求める一面が交差する。

15歳の少年には母のオンナの部分は理解できないんだろうな…。もう何年か経てば、「あきらめ」と「理解」が出来るようになるのかもしれないけど、まだ彼には「母」が必要だったんだ、きっと。子供の目から見た母の幸せを彼は一心に願った。

なんだかとても切なかった。どちらかと言うと地味な映画だと思うけど、いろいろと感じさせてくれる、いい映画。ケンローチ監督、もう少し色々見てみよう。

グラスゴー郊外という土地柄、また恐らく「クラス」を表すために英語のなまりも凄い。後半はだいぶ慣れて来たけど字幕なしにはほとんど理解不可能だった。最近、英語の地方なまりが聞けるものも結構楽しんでいる。

また、この映画の出演者たちが、ほとんど初めての映画とか素人の人たち。その人たちを「リアル」に使うのがうまいんだろうな。プロの役者さんのリアルさとは違う何か。何が違って、何が私に訴えかけて来るのかな、と最近考えている。
by ayako_HaLo | 2005-03-06 21:53 | films/pics