映画『こんばんは』
2005年 05月 11日
夜間中学というものがあることをきちんと認識していなかったけれど、東京都に8つ、全国に34校あるらしい(2001年4月現在)。何らかの事情で義務教育を終えていない人、不登校だった人、日本語の勉強をしたい人に門戸が開かれているそうだ。国籍、年齢は問わない。映画の中でも15歳から91歳までの国籍もいろいろの生徒が登場する。
それぞれの生徒たちの事情と思いに引き込まれる。在日韓国人の生徒(おばあさん)が韓国語、衣服を含め文化を奪われた過去について話をされた時に、国語を教える見城慶和先生が言葉を詰まらせながらお詫びを口にされるところでは涙が出た。
おじいちゃん生徒の作る不器用だけどあったかい巨大おむすびには、ほろっとした。食べたくなった。
不登校になって夜間中学に移って来た「しんちゃん」の変化は見ている私も本当に嬉しかった。焦らず、焦らせず接する先生と、周りの生徒のおかげだと思う。普通の学級は生徒自身も焦り、周りも焦らせることばかりだから。
公のお金は教育にもっと使われるべきだと思う。穏やかな授業と余裕はひとクラスの人数の少なさにも大きく起因する。40人学級で同じことは出来ない。だから試験で縛るしかないんだと思う。詰め込んで簡単に点数がつけられるテスト、テスト。だから私も学校(いや、試験か…)が嫌いだった。勉強/学ぶことを本当に楽しいと思ったのは大学に入ってから。(もちろんつまらない授業もあったけれど)学校の授業科目がある程度の枠はあっても自分(と保護者)で選択できたらいいんじゃないかな。習熟度別クラス分けをやっている高校で英語を教えていたこともあるけど、そういう風に先生の側からクラス分けをされちゃうんじゃなくて、自分で勉強したいレベルの勉強したいことを選び取る。そしたらもっとずっと面白くなると思う。私自身大学で学ぶのが面白くなったのは、選択科目を自分で選んだことが大きな要因だったと思う。
ホームページで今後の上映予定が見れるから、機会があったら是非見て欲しい。きっと見て良かったと思ってもらえる映画だと思う。
映画『こんばんは』森康行監督作品