映画『火火ひび』
2005年 05月 20日
骨髄バンクにご協力を!という啓蒙映画に見えた瞬間があったけれど、そちらに傾くことを阻止したのは田中裕子と窪塚俊介の熱演だっただんだろう。完全にそちらに傾いてしまったら、逆に一般の人たちに協力の気持ちが芽生えるかどうか疑問だ。けれど私は改めて自分が登録することを前向きに検討しようと思っている。注射や痛いのは大の苦手ではあるけれども。そんなことくらい、という気にさせられたのも事実。
焼き物は見るのも、粘土をこねるのも、日常使う食器を作るのも大好き。けれど今のところ形を作るところまでしかやったことはない。その後の、火、窯との闘いも凄まじかった。今はどれくらいの窯元が薪をくべた自然火を使って焼き物をやいているだろう。ガスや電気などの窯が発達して来て、薪をくべて火の番をする作り方をしている作家さんはどれくらいいるんだろうな。それくらいハードで厳しい作業に見えたし、だからこそ自然の火に「祈る」気持ちも生まれるだろうし、実際、神々しくも感じた。
薪から生じる「灰」が焼き物に付着し、それが溶けて、更に空気が少なくなることで「還元」を起こし、微妙な「色」が出る。そういう風に理解した。焼き物の部分だけでも面白かったし、厳しい母の芸術家ならではの深い愛情も良く描かれていたと思う。
映画『火火』
日本骨髄バンク