近所の小さな(ガンコな)魚屋さん
2005年 06月 08日
あるとき行ってみたら、たまたま奥さんだけの時があり「まったくうちの人はガンコで、天然物しか入れないのよ。だから数も少なくなっちゃってねぇ」と愚痴とも誇りとも感じられるようなお話もされた。
この魚屋さんのお魚は確かに近所の他のスーパーなどの魚に比べると値段も倍くらいする。だけど、おいしいし「小さな魚屋さん、スーパーに負けるな!」と思っていたので時々寄っていたんだけど、そうか、みんな天然物だったんだ。そりゃ、高いしうまいはず。
そんな魚屋さんなので、「魚の旬」ってものをよく知らない私なんかが「今日は○○食べようかな〜」なんて行くと、たいていその魚はない。一度は春が旬の「あさり」が全然別のシーズンに食べたくなって、ないかと聞いてみたら「春だけだよ」と言われたし、昨日は「パエリアにイカでも」と思って聞いてみたら、やっぱりないって。今、旬を迎えているイカはホタルイカ。「安く売ってるからスーパーででも買っておいで、煮るんだったら充分だから。でも最近は遠くから採って持って来ているからねぇ」とのこと。そうか。ここのオヤジ(愛情を込めてそう呼んでみる)は、天然っていうだけじゃなく、更に近海ものしか入れてないんだな、ということも何となくわかった。
昨日のメニューは、週末に初めて家で「クスクス」を作るのに「マトンのブロック(←たまたまあった)」と野菜、大量のベランダで採れたフレッシュハーブでお鍋一杯スープを採っていたから、それを使ってパエリアを作ることに決まっていたので、ホタルイカはオヤジのアドバイス通り近所のスーパーで手に入れることにした。
ここのオヤジはそれで「あぁ、そうですか、じゃぁ」と言って帰っても嫌な顔はしない。教えてくれるのも好きみたい。だけどウインドウの中に他にも気になる魚があった。きらきらと美しい「金目鯛」。今日食べる訳じゃないから、今買う必要はないんだけど、金目鯛の目の周りと恐らくカマを分解したような部分の切り身を合わせて乗せたお皿が奥の方にあった。おずおずと「金目鯛ですか?」と聞くと「そう。今が一番安い時期。うまいよ」と言われるので、つい買ってしまった。もとは大きな魚だったと思われる頭部分の半身950円。それから袋入りの小女子(コウナゴ)もあったので一緒にいただいた。「今よそで売ってるジャコはダメだね」とのこと。随分以前にやっぱり「ジャコありますか」と聞きにいって、ない、と言われていたので、今日は見つけて嬉しかった。本日のお買い上げ〆て1,400円。普段の質素な食生活から見るとかなりな散財だけど旬の金目鯛、楽しみ。もっと足しげく寄って魚の旬も体感したいところだけど、なかなか、ね。
「目の周りの部分は特にまだ「うろこ」が残っているはずだから、塩をして15分くらい放置したら一回熱湯をかけてから手ではがして取りなさい」というのも教えてくれた。鯛(タイ)のアラなんかを手に入れた時は、ちょっと脂を落とす、臭みをとるつもりで下ごしらえに熱湯をかけていたけど、確かに頭のうろこをとるのにも有効だ。金目鯛には脂も臭みも感じてなかったら、言われてなかったらうろこだらけの「金目鯛の煮付け」を作ってたかも。最後に「手、気を付けてね」とオヤジは言った。
作る時に、「金目鯛煮付け」で検索したら、うろこを取るっていうんじゃなくても、熱湯かけて下処理するのね。どの作り方もそうなってた。一緒に白菜と牛蒡を煮た。とっても美味しかった。