水芋の茎/芋茎の郷土料理『にいもじ』
2005年 08月 30日
実は前にこの水芋の茎の料理のことを書いた後、それを読んだ母からおしかりを受けた。「出汁とか醤油とか入れとっに決まっとろーもん」だそうである。前の書き込みも訂正する予定。せっかくの機会だったので、作り方をざっと電話口で尋ね、今日の作業に至った。(私信:これで間違っているところがあったら、「Comments」というところに書き込んでみてね、おかーさま)
手を灰汁で茶色にしながら、大きい水芋の茎の筋をとりつつ考える。この作業は好きじゃないとやれない…。この料理を食べたことがない人にやってみて、と言うには作業量が大変かもなぁ…。手についた灰汁は「重曹(粉末)」でもみ洗いすればきれいさっぱり落ちますが。実家の畑に植えてある水芋(←うちに植えてあるのと同じ時に苗を買った)を使って母は今年、3回ほど「にいもじ」を作ったそうだけど、父曰く「もっと作ってくれ」だそうな。
筋を取りつつ適当な大きさに手で切ったところ。今回はざるいっぱいの量になった。それでも実家で母が作っていた量に比べると「ままごと」のよう。二人で食べるには充分か。野菜鉢一鉢からこの量が取れる。
お鍋にお湯をわかし、重曹を入れて下ゆで。母は重曹も入れず、水だけで下ゆでしているそうだから、重曹がなくてもいいはず。私はせっかく重曹があるので、入れてみたけど。重曹を入れたらぶくぶくしゅわしゅわとアワが立って、茎を入れたら水が緑色になり、茶色いアワが出た。ついでに葉っぱの部分も下ゆでしておく。しんなりするまで茹でてからざるにあけて水洗い。水を切る。茹でる前の半分以下の量になる。
鍋にだし汁、お醤油、お砂糖(今回三温糖使用)、お酢、を煮立てて味見をしてから茎を投入。お酢はだし汁と変わらないほどの結構な量を入れる。台所中が甘酢の香り。薄緑色だった茎が煮とけて色が変わり、煮汁が2/3ほどに減ったところで、できあがり。冷まして食べる夏の一品。甘酸っぱく、つるっとぬるっとしている食感も楽しむお料理だと思う。久しぶりに食べた気がするな。そして、もしかしたら自分で作ったのは初めてかも。食べ始めてから、そういえば、母は煮汁に「鷹の爪の輪切り」を少し加えていたことを思い出した。これは入れた方が味が締まりそう。
下茹でした時に一緒に茹でた葉っぱの方は、絞って(かなり緑色の濃い汁が出る)刻んでフライパンで油炒めにしてみた。油との化合で灰汁の持つ舌をさすようなぴりぴり感を軽減してみようと思ったのだけど、結果的には油だけでだいぶ良くなったモノの、ぴりぴり感がゼロにはならない。ちょこっとぴりぴりくらいが好きな人は全然食べられるんだけど。驚いたのは、油で炒めるとテフロンのフライパンに「赤い」汁が出たこと。油に葉っぱの成分が溶け出して赤い色になっているのか、油を入れることによって赤い汁を出すのかわからない。一瞬赤い液体が発生し、火にあぶられてすぐに消えて行く。何なんだろう。テフロンの上で赤く見えていたけど、本当に赤色だったのかどうか汁だけ取り出してみなかったから今となっては不明。
結局、塩こしょうとじゃこを加えてから、お酢をふり回し、水分を飛ばした。今までには食べたことない「ふりかけ」。量が少なかったのもあるけど、すぐに無くなってしまったから、美味しかったんだと思う。この葉っぱの風味は独特。他では食べたことのない「緑」の味。私は好きだな。