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制作プロジェクトHaLoを主宰するayakoが、音楽、写真などHaLoとしての活動について、また、mac、旅、映画、本、猫、食べ物、気になったニュースなどについて、徒然に綴ってます。


by ayako_HaLo
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味噌仕込みin中条村(長野)

2006年1月20日から22日にかけて長野に行って来た。長野市から中条村へ。それまでには一度しかお会いしたことのなかった方だったのだけど、一晩お世話になっていろいろと教えていただくうちに、長野のお母さん、お父さんと呼んでしまうような素敵なご夫妻との出会いになった。

教えていただいたメインは味噌。村の共同作業所で恒例の味噌作りの作業を部分的に少しずつ手伝わせて(いっぱい質問して邪魔もしつつ)いただいた。作業を体験した順番はこのままではないけれど、味噌作りの順番としては、以下の通り。

0日目。米を研いで水につける。

味噌仕込みin中条村(長野)_b0024339_22521180.jpg1日目。
米を蒸す。

味噌仕込みin中条村(長野)_b0024339_23341176.jpg炊きあがった米を台の上に均等に広げる。人肌まで冷ます。最後の確認は手を突っ込んでみる。酵母菌が死んでしまうので、熱いところは表面に出して冷ます。

味噌仕込みin中条村(長野)_b0024339_2122814.jpg種麹(写真)を均等にお米にばらまき、混ぜる。

味噌仕込みin中条村(長野)_b0024339_2152287.jpg共同作業所にはこういう発酵機が二台あった。布袋の中に種麹を混ぜたご飯を入れてから、この発酵機の中にセットする。温度を上げるヒーター、温度を感知する温度計、温度が上がりすぎた時に作動するファンがセットされているもの。初め36度に設定。

大豆を洗って水につける。一晩吸水させておく。

2日目。

味噌仕込みin中条村(長野)_b0024339_2305992.jpg朝、9時過ぎに発酵機の中の米麹を切り返す。発酵機の温度を38度に設定し直す。

味噌仕込みin中条村(長野)_b0024339_2323898.jpg午後。大豆を柔らかく煮る。他の方に話を聞いたところでは、親指と小指の間に豆を挟んでも簡単に潰せる程度の柔らかさまで煮る。途中、沸騰する過程で、浮いて来るアクは取らない。取ると水分が減りすぎて焦げ付く可能性あり。また沸騰すると豆が急激に盛り上がって来て吹きこぼれるので、よく見ておくこと。写真は煮え上がったところ。この状態で、翌日まで放置する。

煮上がる間、お母さんたちが持ち寄ったお菓子やお漬け物をつまみながら井戸端会議。内容は、持ち寄られたお漬け物の作り方などなど。色々教わることも多く、話に花が咲いて楽しかった。

煮終わって帰る前に発酵機の米麹を再度切り返す。発酵機の温度を40度以上に上がらないようにファンを設定する。発酵している自熱で暖かいのでヒーターはスイッチを切る。既に少しだけ甘い香り。

3日目。

味噌仕込みin中条村(長野)_b0024339_23125278.jpg米麹の発酵機から米麹を出す。お米のふくよかな香りと、甘い香りが漂う。お米とお米の間に綿毛のようなものが育っている。食べてみると甘い〜。

味噌仕込みin中条村(長野)_b0024339_23173286.jpg昨日から放置した大豆がちょうど人肌に冷めているのを確認して、大豆の水切りをする。煮汁は使うので棄てない。

味噌仕込みin中条村(長野)_b0024339_23204630.jpg水を切った大豆をミンチにする。量が数十キロだからこの方法が一番時間も手間もかからないだろう。でも、昔は足で踏みつけたりして潰していたんだよなあ。

味噌仕込みin中条村(長野)_b0024339_23235930.jpgミンチにした大豆を作業台の上に均等に広げる。

味噌仕込みin中条村(長野)_b0024339_23263552.jpgその上に、米麹を均等に広げる。

味噌仕込みin中条村(長野)_b0024339_2328114.jpg更にその上に、塩を均等にまき散らす。

味噌仕込みin中条村(長野)_b0024339_23284799.jpg三つを混ぜ込む。このとき耳たぶくらいの固さに/緩さにする為に取っておいた煮汁を加えて混ぜる。適当なところで全部をまとめて作業台の中央に山積みにする。山をみんなで囲んで自分の側から山の上から下に向かって崩し、「味噌玉」を作る。

味噌仕込みin中条村(長野)_b0024339_23354811.jpg中央の山が全部味噌玉になったら、味噌玉を中央に潰して積み上げて行く。二度目の山を作り、同じように味噌玉を作る作業を全部で4回繰り返す。この作業が大豆、米麹、塩をまんべんなく混ぜ合わせる作業になる。やる度に滑らかに混ざって行くのが手の感触でも分かる。

味噌仕込みin中条村(長野)_b0024339_23412914.jpg最後の味噌玉を作ったところで、段ボール箱の中にビニール袋を敷いた中に味噌玉を詰めて行く。空気を抜くようにキチンと詰める。詰め終わったらビニールの蓋をして赤ちゃん味噌が空気に触れないようにする。このまま3ヶ月室温に放置。3ヶ月後に切り返しの意味も含めて「瓶」の中に移して更に熟成させる。


0日目から始まって、3日目までの味噌作りの作業の順番にメモを書いたけれど、私たちがお邪魔して実際に体験した順番は実は違っている。まず早朝に到着してすぐに、3日目の大豆、米麹、塩を混ぜ合わせて味噌玉を作る作業から入った。このとき仕込んだ味噌はAさん宅とBさん宅二つの家庭の為の味噌作りだった。そして、味噌に換算して全体で150kgくらいの仕込みが終わったところで、ちょっとだけお茶とお菓子の休憩タイムをはさんで午後は、ここのメモに書いた1日目(午後)の作業。種麹を使って米麹を仕込む作業。これはCさん宅とDさん宅のための仕込み。そして翌日の朝、2日目の朝の米麹の切り返し、大豆を煮る、米麹の最後の調整をする。これは引き続きCさん宅、Dさん宅のための作業。

つまりこの地区にある「共同作業所」はこの時期、各家庭が一年間に消費する味噌を仕込む作業のためにフル活動していて、そのユニットが3日間ということになっている。

よく出来ているなあと思ったのは、3日目(午前中)と1日目(午前〜午後)というのは同じ日に割り振られているってこと。3日目の午前中に味噌玉を作る作業を作業台で進めている横で、米を蒸す。米が蒸し上がるのを待つ間手があいたら、一番人手のいる3日目の作業であるよそのうちの味噌玉作りを手伝う、という具合。

この「共同作業所」っていうのも本当に優れもので、味噌を仕込む時に大活躍するだけじゃなく、リンゴジュースを仕込む「瓶詰め機」があったり、真空パックが作れる機械があったり、巨大なコンロが3口あったり。地区の人たちが作業をしたい時には、1時間100円で利用できることになっている。(地区内の人たちだけではなく、地区外の人たちが利用したい場合は1日1,000円とのこと)

味噌を150kg仕込むなんて作業が出来る場所と機材を各家庭に持つのは大変なことだけれど、こんな共同作業所があって、それを利用する人たちが融通し合って共同で使うって言うのは本当に素敵なことだと思う。その共同作業の合間の「井戸端会議」の中でお母さんたちにお漬け物やおかずの作り方や昔の話を聞かせていただけるのも魅力的。「共同作業所」という概念にも、とっても惹かれることになった2日間の体験だった。

実は、味噌玉を作る作業をお手伝いしたあと、初めてお会いしたお母さんに「少し持って帰ってみる〜?」と「あかちゃん味噌」を約3kgほどいただいた。現在ビニール袋の中で熟成中。4月になったら何か瓶に移して更に熟成させる予定。出来上がりも楽しみ。

分量は以下の通り。
大豆(乾燥している状態での重さ)x2.2(水を吸って重さが増える分)=煮豆の量
米(乾燥している状態での重さ)x1.1(水を吸って重さが増える分)=米麹の量
(煮豆+米麹)x12/(100-12)=塩の目方
[塩分濃度を12%にする場合]



これ以外の体験もまた後ほど。
by ayako_HaLo | 2006-02-05 00:23 | foods