今回は間伐などではなく、必要な材料を調達する為の伐採。丸太の柱にするために必要なまっすぐで太目の木を物色しに山に入る。木の間を「ちょっと曲がってるなあ」「これくらいならいいかなあ」「あちっちの方がいいか…」などと言いながら歩く。この会話は伐採される唐松の側に立ってみると、倒されるか倒されないかを決める為の重大な会話な訳で、「選ばれなかった」とほっとしたり、「選ばれなかったと思ったのに倒されることになってしまった…」と思ったりしてるんだろうなあ、と話しながらちょっと切なくなってしまった。
伐採する木を決めたあと、また、決める時にどの方向に倒すかも決める。今回は倒す木の中に、運び出しやすい方向に倒すと一般道路を塞いでしまうものがあった。それでどうしたかというと、木こりのおじさん、通称トシェが木に登って、長過ぎる分を先に切り落とすことになった。
腰にロープを長靴に金具をつけ、トシェがするするとターゲットの木に登って行く。今回は10mほどの長さの太い丸太が欲しいということで、10mの高さまで登る。10mのところに印を入れたロープをチェーンソーを結びつけて、そのロープを持って登って行く。10mという高さがロープで分かるし、10m登ったところでロープを引き上げるとチェーンソーが手に入るという訳。
地上10mの位置でこの体勢。ここでまずチェーンソーを入れて上の部分を切り倒す。
一本斜めに倒れて行くのが分かるかなあ。倒れて行く。
使い終わったチェーンソーは引き上げたロープを使って降ろす。
そして木から降りて行く。
こちらは大工のみっちゃん。あとで運びやすいように枝を切り落とし、ある程度の長さに切っておく。
木を根元から切り倒す。まずは木を倒したい方向に地面に平行にチェーンソーを入れる。幹の太さの約三分の一程度。
同じ方向に斜め上から切り目を入れる。
既に切り目を入れた側とは逆の方からチェーンソーを入れる。このとき、既に入っている切れ目よりも15cmくらい?上の方に入れる。自重で木は倒れて行く。
トシェが木に登る為に使っていた道具。金具は足につけて、長いスパイクのついた長靴にして、その針の部分を木に刺しながら登っていた。
切り倒した唐松は翌日には皮を剥いだ。木の皮をつけたまま転がしておくと、虫が入りやすくなるらしい。木を乾燥させる時には皮を剥いでから。唐松の皮は簡単に剥けた。ぺりぺりと気持ちいいくらい。皮と幹の間にはココナッツみたいな白い層があって、瑞々しくて、なめてみるとちょっと甘かった!松には「脂(やに)袋」がある場合があって、大きいものは中にリットル単位で脂が入っていることがあるとか。今回倒した唐松にはそんな大きな脂袋は見つからなかったけどね。