8月15日(月)午後8時〜NHK Eテレで放送のハートネットTV シリーズ戦後71年 忘れられない、雨―認知症と沖縄戦の記憶―のナレーションしました
2016年 08月 07日
8月15日(月)午後8時〜 NHK Eテレで放送のハートネットTV
シリーズ戦後71年 忘れられない、雨―認知症と沖縄戦の記憶―
のナレーションをしました。
沖縄戦を生き抜いた体験者の中に、認知症を患う人たちも増えてきたそうです。認知症というのは、記憶の整理がうまくできなくなることのようですが、その中で、沖縄戦を生き抜いた記憶、その痛みの記憶はかなりクリアに残っていて、特に沖縄戦が激化した梅雨の時期には、症状が強く出るのだそう。
失っていく記憶と、その中でも消えることのない記憶。
おばあたちの話をちゃんと聞ける時間も、あまり長くは残されていないのかもしれません。
どうぞごらんください。
再放送:8月22日(月) 午後1時10分〜
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「この季節になると、戦争を鮮明に思い出し苦しむ認知症の方が多いんです」6月、沖縄の高齢者施設や病院を訪ねると、こうした声を多く耳にします。4月1日に始まった地上戦が激化していったこの季節になると、当時の凄惨な記憶が克明に蘇る。長年、封じ込めていた恐ろしい記憶が…。
戦中、日本軍基地が置かれた津堅島(うるま市)。島唯一の高齢者施設「いこいの家」では、みんなで千羽鶴を折っていました。戦争で亡くした家族や友人を悼み、平和を願う。冨里ミツさん(85)は、認知症のため日常の新しい記憶は抜け落ちることが多いのですが、戦時中、爆撃で母を亡くした時の惨状は鮮明に思い出し、辛いといいます。
精神科医の蟻塚亮二さんは「痛みを伴う記憶は先鋭化して残り、それ以外が脱落する。沖縄の認知症の人は、最も強烈な記憶として地上戦の記憶が鮮明に残っていく」と語ります。
沖縄戦の最高齢の語り部・北中城村に住む安里要江さん(95)も、昨年認知症を発症してから、記憶の整理がつかなくなり苦しんでいます。夜暗くなると、生後9ヶ月の娘が餓死した真っ暗な壕にいる錯覚に陥り、夜一人で過ごせなくなりました。
71年目の沖縄で、認知症の高齢者たちはどのような記憶と向き合い、誰に何を伝えようというのでしょうか・・・。人に最後まで残される『記憶』に向き合う意味を考えたい。