声が出なくなった…
2005年 09月 27日
診断は声帯炎と気管支炎。内視鏡の診察もしてもらい、炎症の度合いを見る為の血液検査もしてくれた。
27日には三件の声を出す仕事が入っていることを伝えて、少々荒っぽいことでも構わないので、出来る限り「早急に」声が出るようになる治療をお願いし、フルマリンという抗生物質のアレルギーがないかどうかのテスト(生理食塩水を対照実験に用い、少量ずつを皮下注射し、10分後の経過を見るもの)を行った後、30分ほどかけてフルマリンを75mlほど点滴をしてもらった。
「できるだけしゃべらないこと」
「できるだけ休養すること」
言い渡されたのは以上で、抗生物質の薬と、ぜんそくの時に吸引するアルデシンという噴霧吸入剤を処方されて、家で出来る限り休む。翌日27日に予定されていた3件は全てキャンセルか日程の再調整を行ってもらった。午後再度病院に吸入治療に行き、飛行機で東京へ戻る。湿らせたマスクをして首もスカーフで包み一言も話さずに。
26日夜はゆっくり睡眠を取ったものの、今朝、声は戻らず。再度近所の耳鼻咽喉科に行って、声帯は特に治りが遅いことを聞かされた。それでも出来る限りのことをしたいとお願いして、服用する抗生剤の強さと量が上がった。更に咳止めと、肺を広げるパッチなどを処方していただいた。
「沈黙療法」と「休養」
咳も含め、できるだけ声帯を使わないこと。
これが風邪から来たものだとすると、今回不思議なのは、この声帯と気管支の炎症以外の症状がないこと。咳や痰はこの炎症から出るものの、熱もなければ痛みも鼻水も無い。頭が冴えているから、普段具合が悪い時のように眠り続けることも難しい。食欲も普通。
一体何なのだろう。
今回は、自分が声を失ってしまうことを本気で想像させられた。私という人間の「価値」は声を失うことによって随分下がってしまうような気がする。主に「経済価値」がほぼなくなってしまう、という意味において…。
普段ほとんど頼りにしない西洋医学、現代医療、所謂「薬」に頼ってしまっている丸二日。普通の人よりも入念に行っているつもりの普段の自分のセルフケアが足りないこともわかってしまった。
今日の予定は全てキャンセル。延期していただいたのに延期した明日の様子もままならない現状。頭が冴えすぎていて眠れるかどうか分からないけれど、ちょっと眠ってみるつもり。今は休んで様子を見ることしか出来ないもどかしさ。かえって高熱でも出て、眠らせてくれた方が楽なのに…。これは「何かを考えろ」ということなのか…。声を失うことについては考えていかなくてはならないような気もする。
10月1日にOAが予定されていたNHKドキュメンタリーETV特集「911 遺族の4年」という番組のナレーションは今朝収録予定だったものを再調整していただいたき、ギリギリ明日の朝スタジオで「試し」てみてその場で判断を下すようなことになった…。ハイビジョンで収録した2時間番組の再編集部分だけの収録予定だったのにも関わらず、声の問題で収録が危うい。言葉も無い。
ご迷惑をおかけしているみなさま本当に本当に申し訳ありません。