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制作プロジェクトHaLoを主宰するayakoが、音楽、写真などHaLoとしての活動について、また、mac、旅、映画、本、猫、食べ物、気になったニュースなどについて、徒然に綴ってます。


by ayako_HaLo
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子供の危機

広島で起こった小学1年生の女の子が殺されてしまった事件。まだ犯人も見つかっていないけれど、この事件が起こってすぐに、自分が小学校1年か2年生の頃に誘拐されそう/連れ去られそうになったことを思い出した。

記憶力に大きなハンデを抱えている私が覚えているだけで、私には2つの「誘拐」されそうになった記憶がある。

一つは、小学校の校門前で、自転車に乗った知らないおじさんに、何かお菓子を見せられて「あげるから一緒に来ない?」と自転車に乗ることを促された。小さな頃から相当に恐がりの私は、そんな話に乗るはずも無く「要らない」と言って走って帰った。これはドキドキしたけど、私に選択肢があったから、マシだった。

もう一つは、学校からの帰り道、まだ学校の敷地内の芝生の上だった。クラスメートの「あんこ」と「りかちゃん」と確か3人でちょこっとだけ芝生の上に建っていた石碑の辺りで遊んでいた。そこに、知らない男の人が現れ、私はあっという間に抱きかかえられた。男の人が近づいて来ていることさえ知らなかったので、遊んでいた石碑の次の記憶は、男の人に高々と抱えられている状況。そして、そのままその男の人は私を抱えたまま歩き出した。

一緒にいた、「あんこ」と「りかちゃん」は二人してダーっと走って行ってしまった。後で二人が機転を利かせて職員室に駆け込んでくれたんだと分かったけれど、その時はたった一人残され、男の人はずんずん歩いて行くし、完全に固まってしまった。

本当に怖かった。大きな声で叫んで助けを呼べばいいじゃないか、と思うかも知れないけれど、あのとき、私に出来たことは、蚊の鳴くような声で「下ろしてください」「下ろしてください」とその男の人に頼むことだけだった。

広島の女の子に「争った形跡もない。服に泥などの付着も無い」ということだけれど、その時の私も全く争っていないし、泥など付着する余地もない。

結局、ちょっとだけ私を抱えたまま歩いた後、その男の人は私を地面に下ろして立ち去った。その人の顔、背格好、服装なんて全く記憶にない。

目的はなんだったのかは分からない。単にちょこっとだけ女の子を抱えてみたかったのかもしれない。けれど、そのことが私に与えた恐怖は大きかった。知らない男の人や、暗い道や、もともと怖かったいろんなものがもっと怖くなってしまった。

そして、その日、その後の記憶は全くない。動転したまま、そのまま帰ったのかもしれない。帰った先に、おばあちゃんが居てくれて、きっととても安心したに違いない。もしカギっ子で、家に帰って一人だったら…と想像すると可愛そうになる。

今、色々な防犯用の商品が出て来ている。防犯ベルだったり、衛星経由で位置を知らせるものだったり…。携帯電話に防犯ベルが仕込んであって、ヒモを引くと「音」が鳴るっていうことと、同時に両親の携帯電話に連絡が行くという仕組みのものもあるようだ。でも、難しいだろうなと思わずにはいられない。その携帯電話自体を奪われて捨てられたら意味が無いし、もしも仮に男の人に抱きかかえられた小さな私が、あのときその防犯ベルつき携帯電話を持っていたとして、ヒモを引くことが出来たか。大声は出なくても、ヒモなら引けるかもしれない。けれど、小さな女の子が動転している状態で、かばんの中に入っている携帯電話を引っ張りだして、男の人に見つからないように奪われないようにヒモが引けるか…。想像の中の小さな私は、やっぱり何も出来ずに「下ろしてください」と嘆願することしかできないような気もする…。自分が当事者じゃなかったら、「あんこ」や「りかちゃん」の立場のようにもう少し冷静な状況にいられたら、ヒモを引くことは出来たかもしれないけれど…。

子供を巡る状況は、昔より危険になってきている、とも一概には言えない気がする。今も昔も危険なんだ。私の子供の時にも、私自身が経験したこと以外に「不審者」情報はいつも出回っていたし「知らない人には着いて行かない」ってことはいつもいつも学校でも家でも聞かされていた気がする。着いて行くか、着いて行かないかという選択肢がある時はまだいいけれど、選択肢が無い場合、どうしたらいいんだろう…。

子供を持つ親の心配は大きいだろうな。それだけでは解決ではないけれど、まずは広島の犯人が早く見つかりますように。
by ayako_HaLo | 2005-11-29 13:43 | thoughts