木の花農園に続く道(2)
2007年 03月 13日
いろいろな繋がりがあって、先週末富士宮(静岡)にある
木の花農園に行って来たって話
からの続き。
http://fromayako.exblog.jp/6593568/
木の花農園には、今現在40人を超える人たちが、
血のつながりを超えた「家族」として暮らしている。
そういう風に聞いていた。
頭では判っていたと思うのだけど、
そういう状況を他に知らないってこともあって
ホントのところそれがどういう状況なのか
判ってはいなかったなあ、というのが行ってみての感想。
農園には農園に住んでいる人たちと、
農園を色々な理由で訪れている人たちがいる。
私たちのように、農園自体の見学を希望する人もいれば、
美味しい有機野菜や加工品を買いに来る人
(富士宮市、富士市を中心に宅配もしている)
農業研修を受けに来る人、
味噌づくりなどのイベントに参加しに来る人、
お昼ごはんを食べに来る人、
色々な心や体の問題を抱えて「自然治療」に来る人、
恐らく理由は様々だ。
私たちが訪れた先週末も
味噌づくりのイベントに参加されている人たちもいたし、
労働も含めて農園で生活を共にしながら、
自分の心を見つめて暮らし、
農園に来るまでは薬を使って治療していたような
「病気」と向き合っている人たちも何人かいらした。
そんなことをたった一泊二日滞在しただけの
私が知り得たのも、ここの人たちには「壁」がない。
何を聞いても答えてくれるし、
農園の中で起こっていることを
たまたま訪れている私たちにも隠し立てしない。
そのことに私がはっきり気づいたのは、
毎晩行われている「大人ミーティング」出た時だった。
日によって出てくる話は多岐に渡るようだけれど、
心の中の揺れや動きを全体(今回は約50人!)とシェアする。
何かが問題だ/問題かも?と思った場合に、
歯に絹を着せぬ言葉で指摘し
指摘された側は受け入れる。
指摘する側も相手を思ってのことであり、
指摘された側も相手が
自分を思ってくれていることを知っている。
訪れていた私たちが
話題の中心になることはなかったし、
発言をした訳ではないけれど、
どういう訳か私も話し合いに参加した気持ちがしたし、
どういう訳か私も愛されていることを感じた。
目の前で話し合われている内容は
とても個人的な内容で、
一般の社会では恐らくこんな風に
大勢で話し合われることはないことだろう。
けれど個人的な内容も
その人本人だけのものではなくて、
少なくとも私にとっては自分の問題
と思えるもばかりだった。
このミーティングが終わったのは零時を回った頃。
心地よい疲れと何となく愛に包まれた気持ちで
ぐっすり眠った。
☆
今回訪れたことによって
たくさんのメッセージを受け取った。
全体が健全であることが自分を大切にすることであり、
自分を大切にすることが他のものを大切にすること。
こだわりを捨てる。
急ぎすぎない。
体を作るのは大地からの恵みなのだから、
私たちは土の化身であり、大地そのもの。
私と地球はひとつ。
悩んだり苦しんだりするのは「自分」を保とうとする自衛心が
最も強い人間という生き物だけ。
自分に向ける意識を他の人にも同じように向ける。
そして、自分より先に他の人に向ける。
全ては「心」なのだ。
☆
ミーティングの中で何人もの人が、
前日のミーティングで話題に出たことについて
その日一日作業をしながら自分の心と対話し
その内容をシェアしてくれていた。
帰って来て翌日の朝、目が覚めてからしばらくベッドの中で
私もずっと自分の心と対話をしていることに気づいた。
そして、そう言えば、この自分の心との対話は
これまでもず〜っとやって来ていたことだったと気づいた。
ずっとやって来たこと。
けれど自分の心のいる場所が
木の花農園に行く前と少し違っていた。
行く前よりも「一歩引いた場所」
少しだけ「俯瞰した場所」にいる。
そしてそのことによって安らかだ。
自然農を通じて出会った
自然の理とともに生きるということの意味。
そこに少しだけ近づいた気持ちでいる。
☆
私の心の体験をここに書いてみたけれど、
これは別の人が行けば、また違っていて
きっとその人に必要な何かと遭遇するんじゃないかと思う。
心の変化かも知れないし
体の変化かも知れないし
生活の変化かも知れない。
自分が人から木の花農園の話を聞いていた時に
「今ひとつよくわからん」と思っていたこともあり、
結局はここに実際に来て体験しないと
きっとわからないな、と思う。
だから私が書いたもので伝わる気もしていないのだけど、
少なくともこれをここまで読んでくれた人、
木の花農園という名前に既に出会っていた人、
何だか行き詰まりを感じている人、
今の世の中に憂いを感じている人、
一回私に騙されたと思って
行って来てみて欲しい。
一緒に行こう!
一泊以上すること!
ミュージシャンは楽器持って行くこと。
きっとシェアしたくなるはず。
百聞は一見にしかず。
この処方箋は、人によって効果が違うはずだから、
どんな効果がおとずれたか教えて欲しいなあ。
私もまた近いうちに行きます。
ありがとう。