花を食す
2007年 03月 18日
道ばたに菜の花が咲き乱れ、
それと共にうちの畑の菜っ葉類も薹立ちし始めた。
通常、八百屋さんで買って手に入れられる菜花は、
ほぼ一種類なんじゃないかと思うけど、
それ以外の、小松菜でも、チンゲンサイでも、パクチョイでも
タアサイでも、ちぢみ菜でも、白菜でも、キャベツでも
みーんな「菜の花」をつける。
同じ仲間で、最初から「花」というか、「つぼみ」を食べることを
前提にしているのがブロッコリーとカリフラワー。
これらはみーんな「アブラナ科」。
ブロッコリーは去年の秋口から育てていたのが、
今次々につぼみをつけ、
取っても取っても次々に恵みを与えてくれている。
これと姿はとても似ているのだけど、
カリフラワーってヤツは、
一株に一つだけしかできないんだって。
まだ育ててみたことがないけど、
普段スーパーで目にするような
真っ白いカリフラワーにするためには、
太陽の光を浴びないように、
葉っぱを上で縛っておくんだそうな。
光に当てると黄ばむんだとか。
太陽の光をいっぱいに浴びた
カリフラワーってヤツも食べてみたい。
もう一つ、前のシーズンから憧れていたもの。
それは、「白菜の薹立ち菜」。
静岡で自然農をされている高橋さんに
一昨年の冬にお訪ねした時に、
「白菜の薹立ち菜は甘くて美味しいんだよー」
と教えていただいて、白菜が薹立ちするのを楽しみに待っていた。
その塔立ちがちょうど今頃。
言われていた通り、甘くて美味しいー。
摘むと次々に横からまた花芽を出す。
柔らかくて、すぐに傷んでしまいそうだから、
通常の流通に乗ることは難しいかも知れない。
本当に贅沢だなあ、と思いながら
さっと茹でていただいている。
花を食す贅沢。
彼らにしてみれば、次に命をつなぐ花を食べられるのだから、
次々に新しい花芽を出すのも本能。
だからいくつかは実を結ばせてあげようとも思っている。
実を結ぶっていうのは、種を作るってことだけど、
ほとんどのアブラナ科の植物は、
自分以外の株の花粉としか実を結ばない。
つまり、一株だけ花を咲かせてあげても
近くに別のアブラナ科の菜の花が咲いていないと
実が出来ないんだな。
そしてこの受粉を行うのは、虫たち。(虫媒花と言う)
彼らがふわふわと花から花へ蜜を求めて飛んで、
新しい命を結んで行く。
ほとんどのアブラナ科の植物は、
アブラナ科同士だったら、実を結ぶので
例えば「これはチンゲンサイです」と言える
種を採るのは難しい。
どんどん、○○と××の混じったのかなあ、というのが出来るはず。
あくまで「かなあ」になるんじゃないかと思う。
そして、どういう種になったのかは芽を出して成長しないと
種を見ていても絶対にわからない。
だから、玉手箱の気分で「どんな菜っ葉が生えるかな」
と思えたら幸せ。
来年はそんな二世たちも蒔いてみたいと思う。